[ 世界観 ]


1.基本設定
建築物は木、石、煉瓦などで造られ、移動手段は馬。ファンタジーに良くある、中世+魔法文化で独自に発展した部分のある世界。魔物は存在しないが、地球には居ないような巨大な獣(人を襲う、など)は存在する。
1)通貨:
   1000ジデル=1ディラ/100ディラ=1ガルト
   食事一回=10ジデル。宿屋は最低で100ジデル。寝台が付いたら500ジデル。
   1ジデルがおおよそ30円、食物は比較的安いが、日用品を含む物価は高め。

2)数の表記:十進法。
3)時間:(ややこしくするつもりはないので、特別な設定無し。つまり、60秒=1分、60分=1時間、24時間=1日)
4)度量衡:(ややこしくするつもりはないので、特別な設定なし)。
5)言語:舞台となる国の間では同じ言語が用いられている。

2.人の設定
舞台となる異世界は、人間の肉体老化が遅い為、寿命が異なる。おおよその対応表は以下の通り。
尚、平均年齢は130歳程度。30歳から60歳にかけては殆ど外見が変わらない。精神年齢は、地球人と成長速度が変わらない。ただし、二次性徴などは若干遅い。
舞台となる世界地球
1歳1歳
7歳5歳
15歳10歳
20歳15歳
30歳20歳
40歳25歳
50歳30歳
60歳35歳
70歳40歳
80歳45歳
90歳50歳
100歳55歳
140歳75歳

他、基本的な肉体構造は同じだが、所謂魔法のようなものが使える。(後述)

3.国と民族
<セルリア>
大陸北よりの完全内陸国。資源に乏しく、国土の大半は乾いている。巨大なオアシス(王都)を中心に栄えている。
もともと、大陸を二分した南北の大陸の境にあった。民族としては北方系、文化は南方系のため、建物の外観は地球で言えば中近東方面に近いが、人はどちらかといえば欧米寄りの外見をしている。
術(いわゆる魔法)技術に長けた国。
<グライセラ>
大陸南方の大国。もともとは大陸を二分するほどの領土を持っていたが、何百年も前にいくつもの国に分裂して現在に至る。広く海に面し、肥沃な土地を持つ。地球で言えばアジア系に近いが、混血が著しいため、あまり民族性はない。国土が広いため、建築物も地域により全く異なってくる。
国王は世襲制ではなく、結界能力のより強い者がその任を襲名する。

[ 特殊設定の解説 ]

1.術
物語の根幹の部分。
作中ではそこまで深く理解する必要はないので、「魔法が使えて、その得意とする分野が何であるかは髪の毛に出る」「簡単な術はそうしようと思うだけで出来るが、複雑なものは装置や道具が必要となる」と思って貰えばよい。
ただ、作者の方は、表現の必要上、結構細かく設定している。以下の通り。
この世界は、いわゆる魔法に値する「術」という概念が存在する。
主に人間が持つ”自然現象を操る力”であり、理論上はどんなことでもできる力。敢えて魔法と呼ばないのは、それが舞台となる世界では当然の力であり、「魔法=使える人と使えない人が居る特殊な力」という概念には当て嵌まらないからである。
術を使う力は、そのまま術力と呼ばれるが、単に力、と略される場合も多い。
ただし、使える術には制限があり、持って生まれた才能限界が存在する。
才能は髪に顕れるため、どの方向性の術力を持っているかは生まれたときに判る。

マイナス要素が多いほど強いとなっているが、マイナスされている色の力が強くなるわけではない。
髪の色と力については減法混合の方が説明が早いのだが(色が濃くなれば力が強くなる)、CMYを混ぜたら黒になっちゃうよ、ということで加法混色を採ってしまった。
赤>攻撃特化。攻撃系の術を得意とするが、治癒術や防御術、その他の補助術は苦手。
緑>治癒特化。治癒術を得意とする。攻撃も補助も防御もそこそこ使える。
青>補助特化。防御術や補助術(何かを増強したり減じたりする)以外は殆ど使えない。
当然、色は混ざるので、本当にそれだけしか使えない者は稀である。

尚、術はごく自然に使えるという設定だが、複雑なものには手順と訓練が必要となる。
例えば、怪我をしたとき、かすり傷なら洗って放置(誰でもできる)で済むが、事故で大怪我を負ったときには専門医による手術が必要(機械や器械を使い、専門知識と技術を持った者にしかできない)となるのと同じである。

2.「白」と「黒」、「失黒」
世界に一世代にひとりずつという特別な存在。
「白」は一般に使われる術は全く使えないが、「結界」という特殊な術を自在に使うことが出来る。「結界」は、それが張られた範囲を自分の思うままに使うことの出来る術で、例えば、術禁止すると設定すれば、その結界内の人は術を使うことが出来なくなる。また、行動を禁止すると、動けなくなる。つまりは万能な術であり、効果範囲は最強の力を持つ「黒」も例外ではない。
基本的に賢く、皆から好意を持たれる。ただし、肉体的には普通の人と同じ。
「黒」は結界術以外のあらゆる術を使う事が出来る。また、身体能力も非常に優れ、肉体的にも頑強。幼少時は電車に轢かれれば死ぬ程度だが、成人した段階では、水爆を直下で受けない限り死なないレベル。ちなみに、初めはここまで化け物設定ではなかったのだが、話を書いているうちにそうなってしまった。
最強の力を持つが、成長と共に力が著しく増大し、そのうち制御が難しくなる。また、感情の昂ぶりにより、勝手に力が放出されて害を為す。これは単純に暴走する、と言われる。力が自制力を上回った時点で精神崩壊を起こし、自分の肉体を破壊する、これが「黒」の最期であるが、この最期の暴走は、国ひとつ滅びた例もあるほど凄まじい。
強力すぎる力の影響か、人からは常に恐れられ、また嫌悪され、忌避されている。
「黒」は通常の人には傷つけることもできないが、「白」の結界内では(そう設定されれば)常人レベルに能力が落ちるので、その間なら誰にでも傷つけることが出来る。
「失黒」は、普通の人でありながら、何故か「黒」を傷つけることのできる特殊な存在。判別材料はなく、実際に「黒」を傷つける機会を得るまで判らない。ただし、その特殊能力以外は常人と変わりない。

なぜ人が術力を持ち、且つ特殊な存在がひとりずつのみ存在するのかについては、ネタバレになってしまうので、あとがきに記す。

3.召還術
主人公が呼び出された技術。体を一度素粒子レベルにまで分解し、次元や空間の隙間を通して別の場所で再び組み立てるという、荒唐無稽な術。ごく普通のサラリーマンにスペースシャトルを造れ、と言うようなレベルの難易度の高い術である。
分解した時点でもともとの組成が記録されるわけだが、精神的なことに関しては曖昧なため、生物は得てして精神崩壊を起こすとされ、召還を禁じられている。また、特殊な環境でしか生きられない生物であった場合、舞台となる世界の環境が合わなければ、当然死ぬこととなる。つまり、舞台となる世界の人間と殆ど同じ組成の地球人が呼び出されたことは奇跡に等しい。


BACK