通貨:1金貨=100銀貨=10000銅貨。*1銅貨=100円ほどの価値。
金メッキの縁のついた10銅貨、10銀貨が間に存在する。
数の表記:十進法。
言語:各国それぞれに訛はあるが、基本的な文法などはほぼ同じ。
度量衡:(ややこしくするつもりはないので、特別な設定なし)。
暦:大陸統一歴(通称、統一歴)。物語の始まりの時点では統一歴982年。
時間:(ややこしくするつもりはないので、特別な設定無し。つまり、60秒=1分、60分=1時間、24時間=1日)
基本的な移動手段:
徒歩と馬が基本。集団での移動は馬車を使う。
王都シクスの範囲限定ではあるが、移動陣という魔法のワープポイントがあり、それを利用することにより、一瞬でワープポイントで繋がれた別の場所に移動することが可能。魔法文明が盛んだった古代は、大陸中に同様の移動システムがあり、遺跡に名残を見ることが出来る。
目安として、徒歩=2-4km/h、馬=7-10km/h。ただし、この世界には魔法が存在するため、これらの基本を全く無視した速度で移動することが可能。(瞬間移動などは不可能だが、質量を少し軽くすることは可能であり、通常より速く動くことが出来るようになる、など)。
人の設定:
魔法が使える人がいる他は、特殊設定無し。
話の舞台であるキナケスの人の体格は日本人よりかなりよく、身長は日本人平均より+5cmほど。ただし、地方により差がある。
肌の色は様々だが、有色人種の方が多い。髪の色はそれこそ多岐に渡るが、地球人に絶対に出ない鮮やかな青や緑といった色はない。目も同様。ただし、優性遺伝は地球人より弱く、例えば地球人ならダークブラウンの目の親とブルーの目の親から生まれる子供が、ブルーの目を持つことは殆どないが、話の舞台の世界では、ほぼ半々であり得る。髪の色や肌の色も同様。
日常生活の設定:
火>魔法が普及しているので、火種は魔法装置から。キッチンには竈がある。
水>都会は上下水道が整っている。ただし、上水道と言っても、各家庭にひっぱっているわけではなく、一定区間に汲み上げポンプがあるという感じ。実はこれも魔法で代用出来る。魔法使いなら直接水を呼んで溜めることが出来るし、高圧縮させた水も販売されている。トイレは基本ボットンだと思って下さい。(そんな設定いるのか?)
食物>特殊設定なし。肉も魚も食べる。
舞台となる世界。位置関係は上の地図の通り。
北方最大の勢力を誇る国。北のイースエント、東のルーツライン、南のセルランド、マエントを属国(国として成り立ってはいるが、キナケスに庇護される代わりに有事には軍隊を出すことを要求されたり税を徴収されたりする立場の国)とする。
王都はシクス。
立憲君主制だが、王族と6領主の発言権は強い。(各領地については下記参照)
国の広さは、西から東までおおよそ1000Km。ただし、森や砂漠もあるため、王都から東方面の平野に人の多さが偏っている。
広大な沃野を有する農業国家だが、各方面の技術力にも優れる。魔法技術も進んでいる。
内乱中も周辺国につけいる隙を与えなかった、高い外交能力を有する。国民性は基本的には勤勉だが、各領地によりかなり異なる。
10年戦争後、現在はハインセック王の下で安定した政治が行われている。
四季はあるが、国土が広いため、海岸沿いと内陸部ではかなり環境が変わる。王都シクスは3-5月が春(15-25℃)、6-8月が夏(20-30℃)、9-11月が秋(25-15℃)、12-2月が冬(15-5℃)。 基本的に朝晩は冷え込み、日中は気温が上がる。一年を通して極寒も酷暑もなく、過ごしやすい。
キナケスの国教はない。精霊信仰の多神教の民族である。
物語の開始より10年前(972年)に先王ホランツが死去した直後より始まる一連の内乱の総称。
972年: 5月、ホランツ王死去。王太子ウエルトが即位の儀直前に暗殺される。第一次内乱開始。末王女ディアナ、イースエントに亡命。 973年: 第二王子レースト、第三王子ハインセック、第四王子ディオネルの間で王座を争う戦闘が繰り広げられる。 974年: 10月、レースト、内乱を制して王座に。ハインセック、幽閉される。ディオネルは母親である先王の正妃の命にて幽閉にはならなかった。 976年: 7月、国内は安定しないまま、レースト王死去。后妃の意向によりディオネルが王位を継ぐ。 977年: 1月、ハインセック、幽閉先より解放される。ディオネルの敵対組織(主にエルスランツ勢)の主となる、第二次内乱勃発。第一王女シャセンヌの嫁いだセルランドが介入して再び三つ巴の争いとなる。ディオネルの母(后妃)の出身がマエントであったため、キナケスとセルランド、マエント間の争いともされる。 980年: 2月。ハインセック率いるエルスランツ勢、ディオネルを倒す。セルランドとの戦闘にも勝利。南の2国と和平交渉後にハインセック、王位に就任。 982年: 3月。ディアナ、ハインセック王の勧めにより帰国。
●王族
国王の直系の親、兄弟、子供まで。国王の兄弟の子供は王族ではない。
即位に関しては、6領主の過半数の同意が必要。王妃の選出に関しても同様。
国王の母親の出身地からは、妃を娶ることは出来ない。
王位は世襲制。王位継承権は第一子から順番に与えられ、男女での区別はない。ただし、国王の子供の方が、国王の兄弟よりも優先的に継承権を得ることとなる(兄弟が王位に就くことで、世代交代が行われたと見なされるため)。
継承権が上でも領主の同意がなければ即位することは不可能であるが、国王の子供が生存している段階で、他の王族が王位に就くことは出来ない。ただしこれには例外があり、国王と全領主が認めた場合は、王位継承権が低かろうと即位可能である。
6領主の領地以外の土地は国王のもの(直轄地)であり、管理は国の役人が行う。拠点は騎士団施設を備えた地方都市となる。
●貴族について
現在、キナケスは貴族階級を有する国ではない。
ただし、6領主とその血縁及び高級官僚など、古くからある名門で、高所得者層に位置する家を大雑把に貴族と呼ぶ。これは昔あった貴族制度の名残であり、本来は奴隷の解放・廃止と共に消滅した区分である。
故に、現在は貴族という地位に対して保護や禄があるわけでもなく、落ちぶれた家は自然、貴族とは呼ばれなくなる。どちらかと言えば、極端な金持ち=貴族という見方が強い。
6領主家の当主は敬称が「公」となるが、それ以外の自称貴族への称号はない。
●6領主
6領主家とは、広大な国土の一部の地域の管理を任された一族を指す。
6領主の権限は非常に幅広く、6領主全員が同じ意見を出した場合、国王命令よりも優先される。
領地の管理は世襲制で、領主一族は王家に次ぐ権力を持つ。王位継承者の選定など、国を左右させる問題については、3領主以上の同意が必要となる。逆に、領主の交代については、王の承認が必要となる。
最大勢力は広大な平原と大陸公路を有するザッツヘルグ領。
次に北西のローエル、その後に、セーリカ、エルスランツ、ティエンシャ、グリンセスと続く。
各領地についてはそれぞれの項目参照。
領主は与えられた領地を管理し、半ば独立した軍隊(騎士団)をもって領地を護り、一定の税を国に納める。半ば独立自治区のようなものであるが、税率を勝手に変更したりなどは出来ない。
「陛下」:王ひとりの敬称。
「殿下」:直系王族。女子でも降嫁した者でも同じ。但し他国へ嫁いだ場合は、そちらの敬称を用いる。
「妃殿下」:王妃、もしくは王位継承者の正妃のみ。
「大公」:引退した王。もしくは強い権力・影響力を持ったまま引退した6領主への敬称。
「后妃」:前の王妃。その時の王の生母でなくともそう呼ばれる。更に世代交代が進むと「太后妃」となる。
「閣下」:各騎士団副団長以上の身分の者に使用される。
「公」:6領主にのみ使用される。「ザッツヘルグ公」など。
王への敬称以外は、親しい間柄の者であれば「様」で通る。
基本的に、同格の人間に対しては、初対面の人でも呼び捨てで呼ぶことが多い。
通常、人を呼ぶときは名前で呼ぶ。本来は家長(一族の最大権力者)のみ苗字で呼ばれるのだが、特に王都などでは核家族化が進んでいるため、本来の家長の意味が薄れ、特に苗字で呼ぶことはなくなっている。地方で、一族が集まって暮らしている場所などでは、「大集団の長」という意味で苗字で呼ばれることもある。
6領主の有する騎士団と、王家直轄地の4領地6騎士団を持って成る。
騎士団は管轄区域の治安維持を主として、災害時に率先して動くことが義務づけられている。有事の際は、臨時に徴収された一般市民が歩兵となって組み込まれる。
官吏として国の意向をまとめる総司令官を長として、その下の司令官を団長と呼ぶ。総司令官は王族及び6領主家の出身であってはならない。6騎士団の全ての団長の同意がなければならない。
982年時点の総司令官(普通は司令官と呼ばれる)はテイラー・バレイ。
騎士団の色は青系統。
●シクス騎士団(黒)。団員1500名。選られた精鋭部隊。他騎士団から選出された者もいる。騎馬部隊。団長はフェルハーン・エルスランツ・クイナケルス。王都の警備にあたる。団長は代々、王族が務める。
●エンデ騎士団(藍色)。団員6000名。内、騎馬は3000名。王都の近くに駐屯するエンディラ領(地方)の警備を行う。団長はリード・アドラス。
●クレランツ騎士団(空色)。団員2000名。騎馬部隊。西のゴウト国との国境周辺を警備する。団長はレフェン・レーデ。
●コートリア騎士団(常磐色)。団員2000名。騎馬部隊。ルーツライン国との国境周辺を警備する。団長はトロラード・ビアーズ。
●ルエッセン騎士団(青紫)。団員1000名。騎馬部隊。マエント国との国境周辺を警備する。団長はクルーズ・シャイマン。
●タラント騎士団(白)。団員1000名。騎馬部隊。グリンセス領とローエル領の間にあるタラント自治領と王家所有の離宮を警備する。団長はメルデ・リンゼ(女)。
各騎士団に団長一名、副団長3名。その下に大隊長(副団長直属の部下)が500の騎馬騎士を統括。その下に中隊長(100の騎馬騎士につきひとり)、小隊長(20の騎馬騎士にひとり)となる。歩兵に関しては数が流動する。
これらとは別に、王の私兵とも言える近衛騎士が30名いる。
王家の色は銀●であるため、近衛騎士は銀の制服を纏う。
豊かな平原と森林を従えた広大な領地。東ウェリス山には銀鉱脈と良質の鉄鉱脈があり、古くから鉄の産地としても栄えている。
土地柄はやや閉鎖的。鍛冶の一族であるため火を崇め、それに由来するものを好む。全体的に誠実と貞節を重んじる一方で、非常に情熱的で苛烈な一面もある。治安の良い田舎。
生粋の領民は赤い髪に黒い目の持ち主が多い。赤の色が強く出るほどエルスランツでは好まれる。
●エルスランツ騎士団(団長:ブライヤ・ディー)の色は赤。機動力のあるしぶとい戦い方が特徴。団員3500名(内2000が騎馬)。
エルスランツ領主はドミネート・エルスランツ(52歳)。ハインセック王やフェルハーンの母親の従兄弟(父(前エルスランツ公)の弟の息子)にあたる。
広大で肥沃な平原を持つ領地。王都にも近く、大陸公路の通る商業と農業の盛んな土地。
他地方からの移民が多いため、土地柄という特徴はほとんど無い。開放的であるがその分犯罪も多岐にわたり、治安はあまり良いとは言えない。ただ、非常に楽観的で活気のある土地でもある。
他地方との混血も進み、様々な髪と目、顔立ちの者が住むが、本来のザッツヘルグ領民は淡黄色の髪に薄茶の目をしている。
●ザッツヘルグ騎士団(団長:ログエル・ザッツヘルグ)の色は黄土色。機動力優先の攻撃的な戦い方が特徴。団員5000名(内2000が騎馬)。
ザッツヘルグ領主はコーネル・ザッツヘルグ(57歳)。第一次内乱を制したレーストの母親の兄。子供にツェルマークとゲイル、他数人いる。
西ウェリス山とその金鉱脈を有する。馬の名産地として有名。
領民は穏やかな気質を持ち、余り争いを好まないが、いざ戦いとなると得意の馬術で敵を翻弄する。真面目で素朴で明るい土地柄。自然豊かな穏やかな気候の土地だが、勇敢な騎士を何人も輩出している。治安はよい。
生粋の領民は金茶〜茶色の髪に緑の目を持つ。
●ローエル騎士団(団長:ヒュージ・カスバ)の色は萌黄。堅実な戦い方を好む。団員4500名(内2000が騎馬)。
ローエル領主はイライザ・ローエル(48歳、女)。先王ホランツの第二妃で第一王子ウエルトを産んだ妃の弟の娘にあたる。
北、イースエントとの国境に接する比較的小さな領地。農業と林業が主で、特産物はこれといってない田舎。
南にザッツヘルグ、東にエルスランツ、北に国境を持ち、他領地の思惑に曝されてきたためか、非常に閉鎖的で内にこもる土地柄。神経質で臆病とされるが、地道な作業をさせたら他の追随を許さない。その為、北のイースエント共に医療技術(薬の開発など)に優れている。手先の器用な者が多い。
生粋の領民は黄金色の髪に青い目。を持つ。美男美女が多い。
●グリンセス騎士団(団長:アレキス・ゼーテ)の色は砂色。国境を守るため、専守防衛を旨とする。団員2500名(内1000が騎馬)。
グリンセス領主はドマーク・グリンセス(46歳)。ディアナの母親の兄にあたる。他、弟にリュンデル・グリンセス(38歳)がいる。
エルスランツの南、ザッツヘルグの東に存在する農業を主とする領地。海岸線は切り立っているため、港には向かない。
目立ったと特徴のない土地柄だが、風光明媚なところからか、芸術家が多く輩出される。穏やかな気候から、かつて貴族の別荘地として栄えたため、領民は全体的に上品で優雅、感情的になることを嫌う傾向がある。その為、ザッツヘルグやエルスランツとはあまり反りが合わない。
ティエンシャと長年、三角州(ワイルバーグ城砦)の利権を争っている。
栗色の髪と目の者が多い。
●セーリカ騎士団(団長:ニコラ・セーリカ)の色は赤紫。重装備による堅固な戦いをする。団員は4000名(内1000が騎馬)。
セーリカ領主はルフタール・セーリカ(61歳)。セルランドに嫁いだシャセンヌ姫の母親の兄。息子にシャルド・セーリカ(39歳)が居り、近々引退するという噂もある。
セーリカの南に位置する漁業を商業を主とする領地。キナケスの海の玄関として栄える。領地自体は比較的狭いが、大きな港を有しているため、他の国からの来訪者で賑わう。
領民の気質は大雑把で剛毅。商魂たくましく、腹に一物を隠した者も多いが、根本のところでは義理堅い。開放的で雑多な民族が入り交じっている。
混血が進んでいるため様々な容姿の者が居るが、生粋のティエンシャ領民は黒髪に茶色の目だったようだ。
●ティエンシャ騎士団(団長:オリゼ・アデルマ(女))の色は黄色。後方攪乱や奇襲など、正攻法ではない戦法を得意とする。強力な水軍を有する。団員3000名(内1000が騎馬)
ティエンシャ領主はユラン・ティエンシャ(36歳)。先王ホランツの母親がティエンシャ出身だったため、妃は提供しておらず、10年戦争時は中立の存在だった。
各国の関係は平和とは言い難いが、大規模な戦争にはならない均衡した状態となっている。
・ゴウト国は現在東西に別れて紛争中。国交はないが、攻め入られる心配もない。
・中央砂漠を境にした南西のアラルバ国はキナケスと1.2を争う大国であるが、両国の関係は良好。南のユールジェンテと小競り合いはあるが、ゴウトの内紛を警戒しているため、自ら戦争をしかけることは避けている様子。
・北西のファルミス国、モルビア国とはあまり国交がないが、軍事力他、キナケスに敵う規模の国ではないため、脅威にはなり得ない。
・南のユールジェンテ国とマエント間で小競り合いが頻発するが、ユールジェンテはアラルバとの長年の敵対関係にあり、アラルバとキナケスが友好的である現在は積極的に仕掛けてくることはない。
体内で魔力と呼ばれる力を生産し、放出することの出来る人間を魔法使いと呼ぶ。
魔法使いの素質は血筋が絶対的。ただし、親が魔法使いだったとしても、子供が全員そうとは限らない。また、稀に突然変異のように魔法の使えない両親から魔法使いが生まれることもあり、その仕組みは未だ解明されていない。魔法使いの家系にありながら魔法の使えない子供は、「魔法能力の因子自体は保有している」とされる。
魔法使いは基本的に頑丈で病気に罹りにくく、レベルが高いほど治癒能力にも優れる特徴を持つ。
ただし、生きるために常に魔力を必要とし(常時、体の維持のために魔力が少しずつ消費されている)、体内で魔力の生産ができなくなると死に至るため、寿命自体は普通の人と大差ない。
魔法を使うには
1.魔力の「生産」、2.魔力の「貯蓄」、3.魔力の「放出」の過程が必要となる。
持って生まれた素質ごとにレベル分けされる。大雑把にレベル5などとランク付けされるが、実際にはもう少し細かく、
(生産)5-(貯蓄)5-(放出)5
……などと区分されている。
ただし、三段階レベルは一般的にあまり認識されていない。通常はレベル5と言えば5-5-5であり、区別する必要がないからだ。ただし稀に、この三段階魔法レベルに極端なずれを持つ者もおり、これは「魔力不均衡症候群」という先天性の病気として扱われる(後述)。この病気の存在のために、研究者の間で使われているレベル分け、とも言える。
魔法使いの平均はレベル5で、魔法使いとして活動できる最低レベルは3。レベルひとつ上がるごとにその能力は二倍になるとされ、レベル5とレベル6の魔法使いの能力には、雲泥の差がある。(ただし、魔力の質や魔法式の展開方法等により、実際の戦闘能力とレベルが比例するとは限らない)。
魔力は、自然界にごく微量に存在するエネルギーであり、人間も自然界の一部であることから、(魔法使いと呼ばれる存在でなくとも)認識できないほどの極微量の魔力は備えている。この魔力が完全に体から抜けてしまうと、生物(動植物)は死に至る。
ただし、極微量の魔力などは通常認識されることはないため、一般的には、「魔力=魔法を使うためのエネルギー」という意味になる。通常の人が体内にあるエネルギー(体力)を使い歩いたり声を発したりしているのと同様、魔法を使う為の原動力が魔力というわけである。
魔力は自然界に存在するが、人が直接魔法を使う場合は、自分の体内にある魔力しか使うことが出来ない。
魔法を使うには、魔法式と呼ばれる魔力を魔法に換えるための言葉が必要となる。この殆どは古代語であり、文字の示す意味は失われているため(一応訳されてはいるが、あっているかどうかは不明瞭)、魔法語とは言わないで「魔法を発動させるための公式」=魔法式と呼ばれるようになった。
ただし、式はあくまで発動させるための手段であり、威力や効果は使う者の意志を強く反映する。これにはよく、人が歩くという行為が例えに挙げられる。
体力=魔力。足=魔法式。走る、歩く、全速力等の調整=人の意志、精神力。筋力、体格=魔力の質――と考えれば分かり易い。
魔力には質が存在し、同じレベルの魔法使いが同じ魔法を発動させたとしても、効果の程は個人差がある。良質の魔力を生産するLv4の魔法使いが、Lv6の魔法使いと対等に闘ったという記録もある。
魔力の質は得意魔法にも関係する。優れた聖眼(後述)の持ち主には、魔法使いは体内にある魔力の質に依存した色の炎を纏っているように見えるという。赤なら炎系、青なら水系、白なら風系といった特徴があるらしい。
魔法を発動するために必要な3段階のうち、ひとつ、もしくは複数のレベルが極端に高い、もしくは低い障害を抱えた魔法使い。99%が先天的なもの。
(生産)5-(貯蓄)5-(放出)2 の場合を「放出低下型」、5-5-8 の場合を「放出上昇型」、などというように呼ばれる。
もしくは症状別に「魔力欠乏型」や「魔力過剰型」と呼ばれる。前者では身体維持の魔力が足らずに衰弱するため、出生後まもなくして死亡する。後者では、魔力を体内に溜めすぎたため起こる中毒で魔法が暴発し死亡するケースが多い。
通常、日常生活に支障のある場合が殆どで、そのバランスが崩れていればいるほど、生存は難しくなる。
騎士とは、職業軍人のうち、騎馬を与えられている者を指す。騎馬を持たない軍人は、騎士見習いとされる。総称して軍人、兵、など様々に呼ばれる。このうち兵は有事の際に徴兵された一般市民も含まれる。
例として挙げると、シクス騎士団=キナケス兵団、であり、シクス所属騎士=キナケス兵であるが、逆は必ずしもイコールではない。騎士=兵であるが、兵=騎士ではない。
*現実世界における騎士や騎士団は必ずしも国に所属したりするものではありませんが、この小説における騎士=国家所属の軍人、と考えて下さい。
従騎士制度や騎士の学校などというものは存在しない。通常は不定期に行われる入団試験を通してのみ門戸が開かれる。ただし、有事の際に活躍した等の理由で、臨時に採用される場合もある。
傭兵団や私兵とは違い、規律は厳しく、退団には相応の理由が必要とされる。
聖眼は、通常人の目には映らない魔力を見ることの出来る特別な目のこと。聖眼を持った人、のことを指す場合もある。
非常に稀な能力であり、どういう仕組みで起こるのかも解明されていない。先天的能力であることが殆どだが、後天的に能力を持つに至ったケースもある。
聖眼の持ち主でも見える範囲には差がある。力が弱い場合は、人など特に濃厚な魔力を持つ存在からのみ、朧気に魔力が見える程度だが、報告されている中で最も強い聖眼の持ち主は、自然界に流れる魔力もはっきり見ることが出来たという。
また、聖眼は魔法生物である魔物を従えることが出来る。これも従える範囲は能力の高低に左右される。
古代から生存する種族で、禽獣の類にはあり得ない力を持つ生物。強力な魔法のような力を使う個体も存在する。
時に人を襲い甚大な被害を与えてくることもあるが、基本的に人気のない深い森や山、砂漠といったところに出没する。どういった生態なのかは明らかになっていない。これは、人の多く集まるところでは急速に弱体化し、消滅してしまうという特徴があるためである。 消滅時に肉体を残さないことから、魔力等、自然界に有する力が集まって凝り出来た存在(魔法生物)であるとも言われており、これが一般的な説となっている。
人の手に余る存在であるが、魔法使いであれば遠くの場所から呼び出すことも可能。ただしこの場合、条件を揃えて誘導することはできるが、意に従わせることは不可能である。それを可能にするのは聖眼の持ち主のみ。